平成27年度 群馬県立がんセンター 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 43 195 521 841 2,041 1,761 505 25
当院は県内唯一のがん専門病院であり、地域のがん医療の拠点として診療を行っています。
患者年齢別に見ると、がんの発症が増える高齢者の割合が高く60歳代~80歳代の方が全体の70%以上を占めています。
また、当院は小児医療は基本的に行っておりませんので、20歳未満の患者はほとんどいません。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
当院は平成28年4月よりDPC対象病院となったため、平成27年度分の当指標のデータがありません。平成28年度分データから公表させていただきます。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 155 26 93 192 11 64 1 6,7
大腸癌 93 50 55 54 129 99 2 7
乳癌 112 94 11 14 75 50 1 6,7
肺癌 81 34 53 201 - 112 1 6,7
肝癌 49 78 22 17 32 76 2 6,7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
ステージ(Stage)とは、がんの深さや広がり、リンパ節転移の有無、他臓器への浸潤の有無などによって決定され、一連の治療を決定する際に用いられる病期分類のことです。StageⅣが最も進行した病期分類です。当指標では5大がんと呼ばれる、胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がんを集計しています。

がんの種別によりステージ別患者数の分布にばらつきがあります。乳がん、肝がんでは早期ステージの患者が多く、胃がん、肺がんでは進行したStageⅣの患者が多くなっています。当院では、早期がんの場合は手術、進行がんの場合は化学療法や手術・放射線・化学療法を組み合わせた集学的治療を中心に行っています。
また、肝がん・肺がん・大腸がんでは再発患者の割合が多いという特徴も見られます。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 - - -
重症度 1 11 15.82 72.00
重症度 2 - - -
重症度 3 - - -
重症度 4 - - -
重症度 5 - - -
不明 - - -
「市中肺炎」とは、普段の社会生活の中でかかる肺炎のことであり、重症度は成人市中肺炎診療ガイドライン (日本呼吸器学会)による重症度分類(A-DROP)を用いて集計しています。当指標は細菌による肺炎を対象としており、インフルエンザウイルスなどのウイルスによる肺炎や食べ物の誤嚥による肺炎、気管支炎などは集計対象外です。
症例数が10件を超えるものは、重症度1(中等症)のみでした。11件のうち10件が60歳以上の方であり、高齢の方が多くなっています。また、平均在院日数は15.82日ですが、病状によって30日前後の入院となる場合もありました。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 - - - -
その他 - - - -
当院はがん専門病院であるため、「最も医療資源を投入した傷病」が脳梗塞である症例は10件未満でした。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 191 1.11 6.03 1.57% 73.88
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 89 1.02 2.06 0.00% 67.49
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術) 75 1.96 6.04 0.00% 70.00
消化器内科は、上部消化管(食道・胃・十二指腸)・下部消化管(大腸・直腸)・肝胆膵領域の腫瘍に対する治療を専門としています。最も多いのが血管塞栓術ですが、内視鏡的手術も多く行っています。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 83 8.42 15.31 1.20% 69.40
K6552 胃切除術(悪性腫瘍手術) 63 5.25 12.81 0.00% 66.35
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 61 7.18 10.43 4.92% 64.57
消化器外科は、上部消化管(食道・胃・十二指腸)・下部消化管(小腸・大腸・直腸)・肝胆膵領域の腫瘍に対する手術、抗癌剤治療を専門としています。手術件数では大腸がん・胃がんに対する手術が多く、これらの手術では他診療科での手術に比べ入院期間が長くなっています。また、化学療法を行うため植込型カテーテル設置も多く実施しています。
乳腺科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 115 1.14 6.18 0.87% 60.50
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 66 1.08 3.61 1.52% 60.17
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの) 60 1.07 6.30 0.00% 59.83
乳腺科は乳がんに対する治療を専門に行っています。乳房切除手術は、標準的に1週間程度の入院期間で実施しています。
頭頸科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3932 喉頭腫瘍摘出術(直達鏡によるもの) 25 1.60 1.08 0.00% 61.24
K020 自家遊離複合組織移植術(顕微鏡下血管柄付きのもの) 20 6.70 20.05 0.00% 70.30
K4691 頸部郭清術(片側) 17 1.76 8.06 0.00% 63.59
頭頸科では耳鼻咽喉科領域にできた悪性腫瘍(喉頭がん、舌がん、口腔がん(歯肉、硬口蓋、頬粘膜、口腔底)、咽頭がん、鼻副鼻腔がん、大唾液腺がん、甲状腺がん)に対する治療を行っています。多様な部位を扱うため、術式の種類が多いことが特徴です。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 51 3.65 6.02 0.00% 65.25
K5143 肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 15 3.87 6.80 0.00% 63.60
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 12 3.17 4.50 0.00% 70.25
呼吸器外科では、肺がん、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、胸壁腫瘍などへの外科的治療を専門としています。手術件数では肺悪性腫瘍に対する胸腔鏡手術が多くを占めています。 胸腔鏡下手術が不可能な進行した症例には開胸手術を行っています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他のもの) 76 1.17 2.63 0.00% 71.59
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 47 1.17 2.55 0.00% 73.06
K843-2 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術 23 1.09 10.00 0.00% 64.30
泌尿器科では腎がん、腎盂がん、尿管がん、膀胱がん、尿道がん、副腎がん、前立腺がん、精巣がん、陰茎がんを専門的に治療しています。手術件数では、膀胱がんに対する経尿道的手術の件数が最も多くなっています。また、平成27年度より腹腔鏡手術を本格的に実施しており、その件数も多いことが分かります。
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 78 1.97 8.42 0.00% 49.79
K879 子宮悪性腫瘍手術 59 2.12 12.51 0.00% 57.80
K867 子宮頸部(腟部)切除術 56 1.00 1.04 0.00% 36.48
婦人科では、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん、外陰がん、腟がん、卵管がん、絨毛がん、肉腫、子宮頸部異形成に対する治療を行っています。手術件数では子宮全摘術が最も多くなっています。また、他診療科と比べ、平均年齢が低い傾向にあります。
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 45 23.00 40.24 0.00% 59.98
K9212ロ 造血幹細胞採取(一連につき)(末梢血幹細胞採取)(自家移植の場合) 11 17.64 11.18 0.00% 52.09
- - - - - - -
血液内科では急性及び慢性の白血病や悪性リンパ腫・多発性骨髄腫を中心に治療しています。治療の中心は抗癌剤治療ですが、化学療法を行うための植込型カテーテル設置を多く行っています。カテーテル設置後化学療法治療を行いますので、術後入院日数が長くなっています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K476-4 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) 24 1.08 5.58 0.00% 47.92
K0221 組織拡張器による再建手術(一連につき)(乳房(再建手術)の場合) 11 1.00 4.55 0.00% 50.18
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形成外科では、頭頚部がんの組織欠損再建、乳がん切除後の乳房再建、手術後のリンパ浮腫に対する治療を主として行っています。手術件数は、乳房切除術を受けた患者に対する乳房再建手術が最も多く、入院期間1週間程度で実施しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 13 0.22%
異なる - -
播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌感染症の症例件数は10件未満ですが、手術・処置等の合併症が入院契機傷病・最も医療資源を投入した傷病となった症例が13例あり、全退院患者数から見た発生率は0.22%でした。手術・処置等の合併症には、具体的には術後出血、創部感染、手術創離開がありました。
当院では合併症を起こさないよう最大限の注意を払っていますが、手術や処置において一定の割合で合併症は生じてしまいます。手術や処置を施行する前に十分患者に説明し、可能性のある合併症についてご理解いただくようにしています。
なお、当指標における「入院契機と同一」とは入院の時点で既にその疾患を有しておりその治療を主目的に入院されたことを意味します。一方、「入院契機と異なる」とは別疾患の治療を目的に入院された後に当該疾患が発見された、又は罹患したことを指します。
更新履歴
2016/09/29
「平成27年度群馬県立がんセンター病院指標」を公開しました。
2016/12/06
「診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)」血液内科のコメントを修正しました。