細菌検査

私たちの体は、腸管内や皮膚、口腔内などに無数の常在菌が存在していて、病原微生物の侵入や発病を防いでいます。がんにかかると免疫機能が低下し、さらに、手術や抗がん剤治療、放射線治療をおこなったりすることによって、微生物の侵入を防ぐバリアーが傷ついたり、白血球が減少したりして感染症を起こしやすい状態になります。

そのため、健康な人では問題にならない常在菌や病原性の弱い菌によって感染症を起こしてしまうリスクが高くなります。たとえば、誤嚥性肺炎は口腔内の常在菌が関与していることが多く、常在菌が増え過ぎないように口腔ケアを行うことは、予防につながります。

細菌検査は、様々な検査材料(血液、喀痰、尿、便、膿、胸水、腹水など)から、感染症の原因となっている菌の種類を検索し、その菌に有効な抗菌薬を調べるために、薬剤感受性検査を実施します。細菌による重症感染症を起こしているかをみるマーカーを測定したり、細菌が産生する毒素を検出したりする迅速検査も実施します。

また、検出された菌の種類や薬剤感受性結果を集計し、薬剤耐性菌の動向や薬剤感受性率等を定期的に院内に提供したり、院内感染対策チームの一員として活動したりすることで、院内感染対策に取り組んでいます。


塗抹検査

検査材料をスライドガラスに塗抹したものを染色(グラム染色・チールネルゼン染色など)し、顕微鏡(1,000倍)で観察します。菌の有無や、染まった菌の色、形態、大きさ、配列などから菌の種類を推定します。白血球が観察されるか、白血球に菌が貪食されているかも重要な情報になります。検査当日に結果を報告します。


尿のグラム染色像

赤く染まった細長い細菌が多数認められます。太めの菌と細めの菌があり、細めの菌は緑膿菌の可能性があります。緑膿菌に有効な抗菌薬は限られているので、治療薬の選択に有用な情報となります。5つある白血球(丸い細胞)のうち2つの白血球が菌を取り込んでいます(貪食)。

尿には、皮膚などの常在菌を少数認めることもありますが、通常は、細菌や白血球はほとんど認めません。


喀痰のグラム染色像

口腔内常在菌による誤嚥性肺炎を疑う像です。 赤と青に染め分けられた小さな丸い細菌や細長い細菌が、たくさん白血球の中に取り込まれ貪食されています。唾液と一緒に落ち込んだと思われる扁平上皮細胞(大きな丸い細胞)も白血球に取り囲まれており、集まってきた白血球が異物を排除しようとしている過程と推測されます。

このような場合、培養をおこなっても口腔内常在菌ばかりが発育してきて、原因菌を特定できないことも多くあります。


培養検査

検査材料や目的菌に合わせた培地数種類に検査材料を塗り、1~2日培養すると、菌が存在すれば培地の表面上に集落となって発育します。発育した培地の種類、集落の色、形、大きさ、臭いなどによってある程度菌の種類を推定することができます。薬剤耐性菌が選択的に発育する培地を使用することで、薬剤耐性菌の有無が分かる場合もあります。 発育した集落から感染症の原因と疑われる菌の、菌名と薬剤感受性を調べます。最終結果が出るまでに2日~10日くらいかかります。 結核菌など発育の遅い菌は、2か月まで培養を続け、菌の発育を確認します。


MRSAの集落

薬剤耐性菌のひとつのMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の選択培地に発育したMRSAの集落です。薬剤感受性検査の結果を待たずに有効な抗菌薬を選択することができます。



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