1.健康保険で認められた治療薬が見つかれば、優先的に推奨します。
2.新薬開発のための治験を推奨する場合があります。当院で行っている治験の場合もありますが、多くの場合国立がん研究センター中央病院の早期臨床試験(治験)を紹介することになります。
3.他臓器のがんで使われているお薬を、同じ遺伝子異常があっても保険適応でないがんに用いる「患者申し出療養制度」で治療する方法もあります。この場合も、国立がん研究センター中央病院で受けていただくことがほとんどです。
代表電話 0276-38-0771
受付時間 9:00~17:00
1.がんは、遺伝子の病気です

我々の体の中に30~60兆個の生きた正常細胞があり、同じ遺伝子を持っています。その正常細胞への持続的な刺激(突然変異、薬物、ウイルス、放射線、加齢等)により遺伝子に異常が生じ、それらが積み重なったり、親からがんになりやすい遺伝子を受け継いだりして、無秩序に増殖するがん細胞が生じてきます。
2.これまで(現在)のがん治療
がんの種類別に、臨床試験を積み重ねた結果に基づいて、最適な治療法が確立されてきています。これらを標準治療と呼びます。
3.分子標的薬
近年の医学の発達によって、それぞれの遺伝子異常に対応したお薬(多くは分子標的薬)が作られてきました。現在は、がんの種類別にその効果が調べられ、すでに保険で使用できるお薬があります。
4.がんゲノム医療とがんゲノムパネル検査
がんゲノム医療とは、これまでのがんの種類別の治療法ではなく、患者さん個人に生じたがん細胞の遺伝子異常を一度にまとめて調べるがんゲノムパネル検査結果に基づき、遺伝子異常に対応したお薬を探し、より適切な方法で治療する医療です。
5.検査にあたって必要なもの
患者さんのがん組織(手術標本や生検検体)です。近い将来、血液中に流れるがん細胞でも検査できるようになるかもしれません。また検査法によっては正常細胞の遺伝子を調べるための血液を採取する場合があります。
6.検査を受けられる条件
これまで、標準治療に基づいたがんの治療をおこなってきて、あまり治療法の残っていない方や、稀ながんでもともと確立された標準治療が少ない方が対象です。また、新しい治療法に耐えられる体力があることも必要です。