A.口腔外科疾患
(1)抜歯(埋伏智歯抜歯(親知らずの抜歯)等)
一般の歯科医院では対応困難な埋伏歯抜歯・難抜歯、循環器疾患や脳血管障害、糖尿病などの全身疾患をお持ちの有病者の抜歯、さらに、がんに対する化学療法中などの特別な対応が必要な方の抜歯をおこないます。
(2)顎骨嚢胞・良性腫瘍
顎骨などに歯を原因とする(歯原性)嚢胞や腫瘍が生じることがあります。良性がほとんどですが、歯原性腫瘍の中には再発しやすいものもあります。また、顎顔面口腔領域に発生した良性腫瘍や粘液嚢胞等もあり、当科で手術、治療、経過観察をおこないます。
(3)口腔粘膜疾患(扁平苔癬、白板症等)
口腔粘膜疾患の症状は非常に多彩であり、局所に限らず全身疾患の一症状として生じることがあります。特に、口腔粘膜の白斑や紅斑として見られる白板症や紅板症は前がん病変であるため、精査と長期の経過観察が必要です。
(4)歯性感染症(薬剤関連顎骨壊死等)
骨粗鬆症やがん患者の骨転移に対して骨吸収抑制薬が使用されていることがあり、その薬剤に関連し顎骨骨髄炎(骨露出、歯肉腫脹、疼痛等の症状)が発症することがあります。切開排膿などの処置や抗生剤の点滴投与が必要なことがあり、症状によっては入院加療も含めて治療をおこないます。
(5)顎関節症
顎の関節が鳴る、痛い、口が開かないといった症状があれば、顎関節症の可能性があります。適宜リハビリを含めた治療をおこなっていきます。
B.周術期口腔機能管理
がん治療に伴う口腔合併症を予防するための口腔管理を行い、口腔症状の緩和や副作用の予防・軽減を目指しています。歯科支持療法の主な内容は以下のようになります。
・がんの外科手術における感染リスク(誤嚥性肺炎などの呼吸器合併症や創部感染)低減のための術前術後の口腔ケア介入
・がん化学療法中(特に造血幹細胞移植や大量化学療法)の口腔管理
・頭頸部がんに対する放射線化学療法中の口腔管理
・薬剤関連顎骨壊死の予防・治療
歯科口腔外科では、顎骨に埋伏した親知らずなどの難抜歯や顎骨の嚢胞性・腫瘍性疾患、口腔粘膜疾患、骨吸収抑制薬に関連した顎骨壊死等の歯性感染症などの顎顔面口腔領域に発生した口腔外科疾患に対する診断、治療、手術をおこなっております。
また、がん治療の影響によるさまざまな口腔内の症状や合併症が起こる可能性があるため、治療開始前からの周術期口腔機能管理の介入をおこなっています。
*口腔外科疾患を専門にしているため、一般歯科治療(むし歯・歯周病・義歯)は行っておりませんのでご了承ください。
平成27年度 | 平成28年度 | 平成29年度 | 平成30年度 | 令和元年度 | |
周術期口腔機能 管理計画策定件数 | 609 | 844 | 853 | 1024 | 990 |
職・氏名 | 卒業年次・大学 専門領域 | 資格等 |
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| 平成14年 | 日本口腔外科学会専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本口腔腫瘍学会口腔がん専門医 日本口腔科学会認定医 |
名生 邦彦
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名生 邦彦
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