注射薬は、医師の指示(注射箋)の確認をし、適切であれば患者さんごとに一つのセットとし、病棟に払い出しています。さらに平成27年2月に注射薬自動払出装置が導入されたことにより、1患者1施用毎の完全払い出しを行っています。
当センターは、がん化学療法が多数行われているため、投与量の管理には細心の注意を払っています。
また、高カロリー輸液(TPN)や抗がん薬の無菌調製は、原則として薬剤部で行っています。
院内で行われる抗がん薬の調製は、すべて薬剤部で行っています。
抗がん薬は被曝により細胞毒性などの問題があるため、安全キャビネット内で調製しています。
現在、がんセンターには100種類近い抗がん薬がありますが、薬液濃度・溶解液の種類・希釈できる輸液の種類など、個々の抗がん薬により調製方法は異なります。それぞれの違いを理解し、限られた時間内に、安全に調製を行うためには、正確かつ迅速な手技が求められます。
入院患者さんのアドヒアランス(薬を正しく使うこと)の向上と、患者さん自身の治療意欲を高めるよう、ベッドサイドにて服薬指導を行っています。使用しているすべての薬に関する情報を把握し、薬剤の相互作用や副作用の発現防止に努めています。さらに、患者さんの副作用発現状況などを把握し、医師や看護師と協力して、より良い治療を提案しています。
さらに、平成26年度からは、「がん患者指導管理料3」の算定を開始し、外来患者さんへの抗がん薬治療の服薬指導により、薬物治療の安全性の確保に努めています。
また、薬剤師が栄養サポートチームや感染対策チーム、緩和ケアチーム、褥瘡対策チームに参加しており、多職種協働によるチーム医療にも貢献しています。
市販されていない特殊な製剤や無菌調製が必要となる薬剤を院内製剤として調製し、供給しています。現在、内服薬2品目、注射薬1品目、外用薬25品目、処置用薬3品目の計31品目を取り扱っています。
患者さんの痛み・苦痛を和らげるための医療用麻薬の管理を行っています。注射薬6種類9品目、内服薬12種類25品目、 外用薬3種類13品目を管理しています。薬剤師が緩和ケアチームに参加しており、患者さんの痛みの治療や副作用対策にも関わっています。
新規医薬品や医薬品の作用、副作用、薬物間相互作用など、常に最新の情報を収集し、必要な情報を迅速に病院スタッフへ提供しています。安全な薬物療法を実施するために、医薬品の情報の収集・整理・提供は欠かせない業務の一つです。
また、医師・看護師・その他病院スタッフからの医薬品に関する問い合わせに応対し、必要な情報の評価・提供を行っています。
新しいお薬や治療法の”人”での安全性や効果を調べる試験を「臨床試験」といいます。その中でも、厚生労働省から新薬として承認してもらうことを目的とする臨床試験を「治験」といいます。当院では抗がん薬だけでなく、その支持療法(吐き気を抑える薬剤など)や痛み止めなど、広い分野の治験をおこなっています。
薬剤部では、当院で実施される治験が安全かつ適切に行われるように、治験事務局を運営し、治験薬の管理や治験審査委員会の業務を行っています。
また当院は、医師主導多施設共同治験も実施しており、薬剤部としても積極的に関与しています。