平成24年度 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 | 平成28年度 | |
新患症例 | 154 | 156 | 154 | 153 | 150 |
がんは早期に診断された方が治癒されやすいのは当然ですが、頭頸部がんは各々のがんによりその早期の症状も異なるので各々のがんについて初期症状を述べます。
嗄声(声がれ)が出現します。特にタバコを吸う人は要注意です。また喉頭がんでも場所によっては声がれはなく、飲み込む時に痛みを感じるのが早期の症状のこともあります。
舌に治りにくい潰瘍ができ、そこから出血することや、指で舌を触ると硬いしこりを触れます。
口の中に治りにくい潰瘍やしこりがあります。食事をする時に痛みがあったり、出血します。
耳閉感、頭痛、片側の鼻閉が揃うと上咽頭がんの可能性があります。
嚥下する時の異常感や扁桃が大きく腫れたり潰瘍ができます。
食事を飲み込む時に痛みや魚の骨が刺さっているような感じがしたり、喉頭がんと同じように声がれのこともあります。
片側の鼻閉があったり、鼻汁の中に血液が混入したり、頬の腫れや痛み、しびれ感、時には歯痛が初期症状になることもあります。また片側の眼が涙ぽっくなったりします。
頸の前方にしこりを触れます。しかし痛みなどの自覚症状は初期には認められません。時に声帯を動かす神経が麻痺して、声がれが出現します。
以上のような症状が2週間以上続く場合には心配してないで、すぐに耳鼻咽喉科・頭頸部外科の専門医を受診しましょう。
平成24年度 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 | 平成28年度 | |
喉頭 | 27 | 24 | 28 | 21 | 17 |
上咽頭 | 3 | 0 | 1 | 2 | 5 |
中咽頭 | 18 | 26 | 13 | 13 | 18 |
下咽頭 | 22 | 22 | 18 | 20 | 20 |
鼻腔・上顎洞 | 5 | 1 | 6 | 4 | 5 |
舌 | 18 | 17 | 19 | 21 | 14 |
他の口腔 | 7 | 9 | 14 | 13 | 15 |
大唾液腺 | 10 | 4 | 5 | 6 | 4 |
甲状腺 | 24 | 17 | 22 | 29 | 17 |
皮膚 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 |
原発不明がん | 1 | 3 | 1 | 2 | 4 |
その他 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
計 | 136 | 123 | 128 | 131 | 121 |
職・氏名 | 卒業年次・大学 専門領域 | 資格等 |
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頭頸科部長 | 平成3年 頭頸部外科 | 頭頸部がん専門医・暫定指導医・指導医 |
技師 | 平成24年 耳鼻咽喉科 |
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シニアレジデント | 平成14年 頭頸科 | 日本口腔外科学会専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 |
頭頸科(あるいは頭頸部外科)とは聞き慣れない言葉だと思いますが、分かり易く言うと「顔面から頸部」つまり耳鼻咽喉科領域にできた悪性腫瘍(がん)を取り扱う診療科のことを言います。ここに発生する頭頸部がんとは具体的ながんの名称としては、喉頭がん、舌がん、舌以外の口腔にできる口腔がん(歯肉、硬口蓋、頬粘膜、口腔底)、咽頭がん(上、中、下に分かれます)、鼻腔や上顎洞などにできる鼻副鼻腔がん、大唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)さらに甲状腺がんなどの総称です。
頭頸部がんの発生頻度は他のがんに比較して少なく、すべてのがんの約5%程度です。罹患数は人口10万人に対して口腔・咽頭がん12.3人(男性17.4人、女性7.4人)喉頭がん3.5人(男性6.6人、女性0.5人)甲状腺がん10.8人(男性5.6人、女性15.6人)です。